心と肌、そして地球が調和する。　株式会社トリニティ

化粧水や美容液のとろみ、あの独特のなめらかさには、ある成分が隠されています。それが合成ポリマーです。

合成ポリマーが配合されている基礎化粧品は、肌に塗るととてもしっとりしてなめらかになります。しかし、この良質な使用感こそが、肌にとっての重大な落とし穴となっているかもしれません。

今回は、基礎化粧品に欠かせない合成ポリマーの正体と、その役割、そして私たちが知っておくべき肌への影響について、分かりやすく解説していきます。

この記事を書いた人：トリニティ【公式】ホリスティック・アロマセラピスト龍神

ポリマーって何？実はプラスチックの仲間だった！

基礎化粧品の多くに使われる合成ポリマーは、石油を原料とする合成プラスチックから作られています。

ポリマーとは、小さな分子がたくさんつながってできた大きな分子の総称です。身近なところでは、ペットボトルや食品容器に使われるプラスチックも、このポリマーの一種です。

「プラスチックが肌に？」と驚くかもしれませんが、化粧品用の合成ポリマーは、水に溶けたり、ゲル状になったりするよう特殊に加工されており、製品のテクスチャーや機能性を生み出すための秘密が隠されています。

合成ポリマーは主に、基礎化粧品の増粘剤、乳化安定剤、感触改良剤、皮膜形成剤など、多くの役割を担っています。

基礎化粧品における合成ポリマーの主な役割

クレンジングや化粧水、美容液に配合される合成ポリマーは、主に製品の使い心地やテクスチャーを良くするために使われています。肌への影響を理解するためにも、知っておきたい主な役割をまとめました。

とろみと滑らかさを出す（増粘剤・ゲル化剤）

• 役割: 肌にのせたときの滑らかな感触、ツヤ、ハリ感を出し、美容成分が肌に留まりやすくします。
• 主な成分名: カルボマー、キサンタンガム、PEG

保湿効果を高める（皮膜形成剤）

• 役割: 肌の表面に薄い膜を作り、水分が蒸発するのを防いで、うるおいを長時間キープする役割を果たします。
• 主な成分名: ジメチコン、アクリル系ポリマー

乳液・クリームを安定させる（乳化安定剤）

• 役割: 水と油分を均一に混ぜ合わせ、分離を防ぎます。これにより、乳液やクリームがなめらかな状態を保ちます。
• 主な成分名: ジメチコン、ビニルジメチコン、クロスポリマー、シリコン、アクリレーツコポリマー

アイテムごとの合成ポリマーの目的

「なぜそのスキンケアは、その使い心地なのか？」アイテムごとの目的と役割を見ていきましょう。

ジェル・美容液

• 目的: とろみと肌への密着性を出す
• 役割: 化粧水や美容液の「とろみ」は、ポリマーが水分を抱え込む働きによるものです。伸びが良くなり、美容成分が肌に留まる時間を長くします。

乳液・クリーム

• 目的: テクスチャーをなめらかに保つ
• 役割: 水と油分を均一に混ぜ合わせ、分離を防ぎ、製品の安定性を高めます。

オールインワン化粧品

• 目的: 保湿効果を長時間持続させる
• 役割: 複数の役割を持つため、保湿成分を肌に閉じ込めるために、表面に薄い膜を作るポリマーがよく使われます。

日焼け止め

• 目的: 汗や水に強くし、効果を長持ちさせる
• 役割: 汗や水に強い膜を作るためにポリマーが使われ、日焼け止め効果が長時間持続するようになります。

合成ポリマー・シリコーンに指摘される5つの懸念点

合成ポリマーは、ツヤ感、ハリ感、保湿感など、表面上は良い効果を与えてくれますが、残念ながら実際に水分を与えてくれるわけではなく、間接的に肌に悪影響をもたらす恐れも指摘されています。

1. 肌本来の機能を妨げる「ビニールコーティング」

一部のポリマーが肌表面に膜を形成することで、肌本来の皮脂分泌や保湿機能を妨げ、肌の自己保湿機能の低下や、長期的な自己回復力の低下につながる可能性が指摘されています。

2. クレンジング時に生じる肌への負担増

肌に密着する性質を持つポリマーは、通常の洗顔では完全に落ちにくい場合があります。その結果、メイク落としや洗顔時により強力な洗浄剤（合成界面活性剤など）の使用が必要となり、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。これにより、乾燥や肌荒れを引き起こす悪循環につながることがあります。

3. 皮膚バリア機能の低下を招く可能性

肌の表面にある「皮膚常在菌」や「皮脂膜」といったバリア機能。一部では、ポリマーがこれらのバランスを崩したり、働きを妨げたりすることで、肌のバリア機能が低下し、敏感肌や肌荒れを引き起こす可能性が指摘されています。

4. 汚染物質の残留リスク

合成ポリマーの製造過程において、不純物として有害な物質が残留する可能性が指摘されることがあります。また、特定の条件下で肌への刺激となる可能性も完全に否定はできません。

5. 環境への長期的な影響（マイクロプラスチック）

合成ポリマーはマイクロプラスチックの一種です。自然界で分解することが非常に難しく、分解には100年単位の時間を要すると言われています。これは、地球環境への長期的な負荷につながる大きな懸念点です。

まとめ：大切なのは「肌質と長期的な影響」を考えること

基礎化粧品に使われる合成ポリマーは多岐にわたり、無毒性が確認されています。しかし、無毒であることと、肌へ与える長期的な影響はまた別問題です。

肌への影響は、ポリマーの種類、配合量、そして個人の肌質によって異なります。長期的な使用や不適切なクレンジング方法が、間接的に肌の乾燥やバリア機能の低下につながる可能性があるという点が懸念されています。

もし、長期間同じ化粧品を使っていて「なんだか肌の調子が悪いな…」「乾燥肌がなかなか改善されないな…」などと感じたときは、一度、成分表示に注目してみるのも良いかもしれません。

大切なのは、メリットとデメリットを知り、正しい知識を持ってあなたの肌に合った基礎化粧品を選んでいくことです。自分の肌に何が必要か、どんなケアが合っているかを理解し、美しさを育んでいきましょう。

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