敏感肌や乾燥肌の方にとっては、お湯や石鹸類が刺激となることが少なくありません。
お風呂上りに、粉がふいて乾燥がひどい、かゆみが出てくる、このような方は、お肌を守る対策を取り入れることで、乾燥やかゆみが軽減されるとともに、徐々に丈夫なお肌を作ることができるようになっていきます。敏感肌や乾燥肌でお悩みの方はぜひお試しくださいね。
この記事を書いた人 アロマアドバイザー/コーチ/トレーナー (株)トリニティ代表 龍神もも代
目次
そもそも敏感肌とはどういう状態?
敏感肌とは、一言で言うと、お肌のバリア機能が弱くなっている肌を指します。
健康な肌は、皮膚の表面の皮脂と角質細胞間脂質や天然の保湿因子がバリアを形成して皮脂膜で覆われ、乾燥やアレルゲン、摩擦や刺激などの外的刺激要因から肌を守っています。
しかし、なんらかの理由により、このバリア機能が崩れてしまうと、肌を守れずにあらゆる外敵刺激に反応して、お肌に荒れや、かゆみなどの炎症を引き起こします。
この状態が敏感肌というわけなのです。
乾燥肌は、角質層が乱れバリア機能が崩れたことで、水分を保持する機能が低下し、蒸発しやすくなった状態です。
この状態は、外からのあらゆる刺激に対して無防備なため、お風呂で悪化させないように、また、バリア機能を正常化していくためにも、以下の対策を取り入れることをお勧めいたします。
・お風呂に入る前に、顔や体に植物オイルや美容オイルを塗っておく
・純石鹸か、弱酸性の石鹸で優しく洗う
・体は手で洗うか、綿や麻でできたボディータオルで洗う
・塩素除去をし、38度〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かる
・お風呂上がりには、植物オイルなどで肌を保護する
では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
肌を保護するために、お風呂に入る前に顔や体に植物オイルや美容オイルを塗っておく
お湯に浸かる前にオイルを塗ることで、主に次の2つの効果が期待できます。
・オイルによって、肌に仮の保護膜が作られることで、お湯のあたりをマイルドにする。お肌をやさしく守り、乾燥やかゆみを防ぎます。
・温かさと湿気(スチーム効果)により、植物オイルや美容オイルの浸透力がアップし、有用成分により肌育成をさらに助ける。
純石鹸か、弱酸性(合成界面活性剤なし)の石鹸で優しく洗う
合成界面活性剤(乳化剤)の含まれたクレンジング剤や石鹸などを使用することで、必要な皮脂を取り過ぎてしまうことがあります。できるだけ、乳化剤が含まれていない、純石鹸など優しい成分のもので洗うことをおすすめ致します。
バリア機能が正常で健康な肌は弱酸性。アトピー性皮膚炎や、超敏感肌の人は、肌がアルカリに傾いてしまっていることがあります。アルカリに傾いていると外部からの刺激に弱くなりますで、炎症がある時などは特に、弱酸性のもので洗いましょう。
弱酸性のクレンジング剤には、合成界面活性剤が使われていることが多いので、要注意!
皮脂を守ることは、きれいなお肌を作るために必要な、美肌菌(常在菌)を守ることにもつながってきますので、しっかり対策をしていきましょう。美肌菌についての詳細はこちら
体は手で洗うか、綿のタオル、絹や麻でできたボディータオルを使用する
体はナイロンでできた製品で洗うと、洗いすぎてしまったり、小さな傷ができてお肌を傷つけ、かゆみを引き起こしたり、こすることで肌に色素沈着を起こしてしまうおそれ等があります。
体は手だけで十分洗うことができますが、背中など、もっとすっきり洗いたいという場合には、綿のタオルか、絹、麻などを使うように心がけましょう。
塩素除去をした、38~40度くらいのお風呂にゆっくり浸かる
敏感肌の人にとって、お湯に含まれる塩素が刺激となることがあります。
塩素除去シャワーヘッドを取り付ける、ビタミンCタブレットをお風呂に入れる、などの塩素除去対策をすることをお勧めいたします。
入浴剤を使用する場合は、合成香料などの添加物の多いものは避け、お風呂から出るときはきちんと洗い流すことも忘れないようにしてください。
熱いお湯は、皮脂を必要以上に洗い流してしまい、乾燥肌や肌へのダメージを促進してしまうことにもなりかねません。
また、睡眠前の入浴で、40度以上の熱いお湯につかってしまうと、交感神経が優位になり、体がリラックスモードになることができず、
体は、副交感神経優位の時にリラックスモードとなり、体の回復力を上げます。
自己回復力を高めるためには、良質な睡眠が必須です。
睡眠の質が悪いと、肌によくないのはもちろんのこと、ホルモン分泌や、血圧、血糖値などを乱すことにもつながってきます。
塩素除去対策をした、ぬるめのお湯にしっかり浸かって副交感神経系を優位にし、良質な睡眠をたっぷり取るように心がけましょう。
お風呂上りは、植物油などで肌を保護する
皮脂量の少ない足や腕などは特に、お風呂上りに乾燥してかゆみが出やすい部分。
そんな時には、お風呂から上がったあと、植物オイルなどを塗り、乾燥を防ぎましょう。 その場合は、お風呂上がりのまだ水分が残る肌に塗るのがコツ。ゆっくりマッサージしながら塗れば、さらに心もリラックスできて良い眠りへと誘ってくれます。ぜひお試しください。
まとめ
・お風呂に入る前に、植物オイルや美容オイルを塗っておく
・純石鹸か、弱酸性の石鹸で優しく洗う
・体は手で洗うか、綿や麻でできたボディータオルで洗う
・塩素除去をし、38度〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かる
・お風呂上がりには、植物オイルなどで肌を保護する
敏感肌は、日々の中で、少しずつ改善していくことで炎症が起きにくい肌を作っていくことができます。有効的な対策を行なうとともに、刺激となる成分がスキンケアに入っていたら見直しをしてみるなども大切です。せっかく、気をつけて保護しているのに、スキンケアで皮脂や美肌菌を取り去ってしまってはもったい無いですからね。
崩れてしまったバリア機能を正常にし、自己の持つ治す力を取り戻すことで、乾燥肌や、敏感肌から抜け出すことも十分に可能です。「体質だから仕方ない」と諦めている方も多いですが、必ずしもそうではありません。毎日、正しいケアを継続していきましょう。