自己回復力の低下で起こる肌の悩み
目次
わたし達のお肌はシミ、シワ、くすみ、乾燥肌、吹き出物など、様々な肌の悩みを回復させる力、自己回復力を持っています。
しかし、知らず知らずのうちにその力がどんどん低下していってしまうことがあります。あなたのお肌の悩みは、この自己回復力を高めていくことで良くなっていく可能性があります。
肌の自己回復力を低下させる主な原因とは?
- 合成界面活性剤によるクレンジング剤、基礎化粧品の多用による皮脂分泌の乱れや、角質層の乱れ
- 加齢や食事、ストレスなどによる抗酸化力の低下
- 加齢によるホルモン量の低下
合成界面活性剤による皮脂分泌の減少や角質層の乱れ
クレンジング剤や乳液などのスキンケア用品に含まれる、合成界面活性剤、合成香料や合成保存料などの多用によって、自己回復力の低下を招いてしまうことがあります。
合成界面活性剤は、メイクや皮脂を強力に落とす作用があり、ファンデーションを綺麗に落としてくれるメリットがあります。一方、皮膚の大切な皮脂を必要以上に取り去り、バリア機能を低下させてしまうことで、紫外線や外部からの刺激に弱くなったり、肌内部の水分を保持できなくなるなどのデメリットもあります。
乳液は、乳化剤の原料となる合成界面活性剤が使われることが多いため、注意が必要です。乳化剤は、化粧水、クレンジング、日焼け止め、液体ファンデーションやボディーソープなどにも使われます。メリットとデメリットを考慮して、できるだけ使いすぎないようにすることが大切です。
また肌は、クリームなどの保湿剤を必要最小限にすることで自らの皮脂分泌を促進させる機能を持っています。この機能は加齢によっても低下しますが、乾燥しているからといってつけすぎてしまうと、皮脂分泌の力をさらに低下させてしまうことにもなりかねません。
また、つけすぎてしまうと角質層がふやけてしまい、まだ剥がれる時期でない角質が剥がれやすくなってしまいます。まだあって欲しい角質が剥がれて角質層が薄くなると、肌内部の水分を保てなくなることも。
湿度環境や肌コンディションによって、あなたの肌に合った優しい成分で出来たクレンジング剤やスキンケア用品を選び(1種類~2種類で十分)、つけるタイミング、量など様子を見ながら加減するよう心がけましょう。
肌を守り美肌をつくる「皮脂」の役割とは?
この図は皮膚の断面図です。角質層の上は「皮脂膜」という膜で覆われています。皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗などがまじりあってできたものです。
皮脂には、主に次の4つの役割があります。
- 肌表面から水分が蒸発するのを防ぐ
- 潤いや滑らかさを保つ
- 肌を傷から守ってくれる
- 化学物質を跳ね返す
など、わたし達の肌を乾燥や様々な害から守るという重要な役割を担ってくれています。
この美肌菌は、いわば善玉菌のような働きをしてくれる菌。肌のPhを健康な状態である弱酸性に保ってくれたり、炎症の元となる、黄色ブドウ球菌などの細菌の発育や増殖を防いでくれる優秀な菌です。
美肌菌のエサとなる皮脂が減ってしまうと、美肌菌は増えることができません。戦う力も弱くなるため、肌がアルカリ性に傾いてしまい、黄色ブドウ球菌などが異常に繁殖、増殖して肌の乾燥や、炎症、アトピー性皮膚炎などに繋がりやすくなってきます。
そして肌のバリア機能が低下して、ちょっとした摩擦や紫外線でも影響を受けやすくなってしまうのです。
皮脂量を増やしていくことで美肌菌も増え、徐々に保湿力や免疫力などを調整しバリア機能がUP!菌のバランスも整ってくるようになります。そして、自ら潤いを出せるお肌になり、乾燥肌やトラブルの解消につながっていきます。
石鹸で一回洗うだけで、美肌菌の約90%が洗い流され、健康な肌の人でも元の状態に戻るのは12時間もかかるとの統計もでているとか。
そんな大切な皮脂をしっかり守っていきましょう!!
皮脂を守り、美肌菌を増やすためにできること
- 石鹸などで洗いすぎない
- クレンジング剤は、合成界面活性剤(乳化剤)が入っていないものを使う
- 肌が乾燥に傾いているときは、Phが弱酸性の石鹸(乳化剤なし)を使う
- 腸内の環境が整うと、美肌菌も増えるので便秘解消や、リーキーガット(腸の炎症)の解消を。
- 美肌菌を増やして活性化してくれるスキンケア用品を使用する。
皮脂は、アルコールや界面活性剤、防腐剤や殺菌剤(肌にとって良い菌も死滅)にとても弱いため、スキンケア用品を購入する際には表示成分のチェックを習慣にしていきましょう。
加齢や食事、ストレスなどによる抗酸化力の低下
酸化は、私たちが生きる上でなくてはならない化学反応である反面、シミ、シワ、たるみやくすみを加速させるほか、肌自体の免疫力を低下させてしまう恐れもあります。
体内の活性酸素は、食事やストレス、加齢、紫外線、大気汚染、過度な運動など、様々な原因によって発生します。それが過剰になると肌や身体にダメージを与え、自己回復力が低下してしまうため、毎日の生活の中で酸化をさせる要因を取り除くことが大切です。
シミ発生のメカニズム
シミは、メラニンが過剰に作られることで起こります。
メラニンは、紫外線から皮膚の細胞を守るために作られるという大切な働きをしてくれるもの。健康な肌であれば、皮膚の新陳代謝「ターンオーバー」によって垢と一緒にメラニン細胞が剥がれ落ち、肌は元の色に戻ることができます。
しかし、紫外線のほか、加齢や食事、抗酸化力の低下、ストレスなど様々な原因によりターンオーバーがうまく行われなくなり、メラニンが過剰につくられ皮膚の表面に出てきてシミとなります。
シミを作らせないためにできること
- 抗酸化力を高める わたしたちの体は、自ら酸化から肌や身体を守る、抗酸化物質を作り出す生体機能を持っています。この力は、身体の免疫力をUPさせることで高めていくことができます。
- 酸化ストレスを避ける
- 紫外線から肌を守るスキンケアをする
- 揚げ物は出来るだけ避け、和食にするなど酸化の少ない食事を心がける
- ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用のある物質を摂取する
- ストレスを溜めない
- 過度な運動を避ける
- 抗酸化力を持つスキンケア用品を使用する 血行促進、皮膚細胞の再生や活性化、抗酸化力を持つ基礎化粧品でケアをすることで、紫外線や体内で作られた活性酸素を除去する力を助け、お肌を酸化から守ることができます。
加齢によるホルモン量の低下
40歳を過ぎると急激に低下するホルモン。身体が繊細に変化していき、精神的にも肉体的にもバランスを崩しやすくなります。
それとともに肌の自己回復力も低下していき、皮脂分泌のバランスの乱れや角質層の乱れ、水分を保つ力なども減少することに。それが原因となって、シミ、シワ、ハリ不足、くすみ、乾燥、炎症など、様々な肌の悩みやトラブルに繋がってしまうことがあるので、ホルモン量の調整をしてみるのもひとつの対策です。
ホルモンの低下とうまくつきあうための3つの対策
- ホルモン剤や漢方の投与でホルモン量をコントロールする
- ホルモン調整に役立つ精油を使いケアをする(クラリセージ、ゼラニウム、ローズオットーなど)
- 軽いホルモン補充のような効果が期待できるエクオールを摂取する
医師と相談し、正しくケアしていきましょう。
肌の自己回復力を高める基本的なスキンケア
スキンケア用品の選び方
- 合成界面活性剤(乳化剤などの界面活性剤)、合成保存料、合成香料、安定剤などが配合されているものは極力避ける。
- 植物由来成分でできた、肌にできるだけ負担のない優しいものを使用する。
- クレンジング剤は、弱酸性(乳化剤なしのもの)のものか、純石鹸を使用する。
肌を守る洗顔法
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洗顔の前には、オイルや専用のクレンジング剤でポイントメイクを先に落としておく。
優しい成分でできたクレンジング剤や純石鹸では、ポイントメイクが落ちにくいことがあるため、先にオフしておくことでスムーズかつお肌に負担をかけずに洗顔することができます。
ポイントメイクの落とし方 -
泡立てネットで十分に泡立て、泡で細かい円を描くようにこすらずに優しく洗い、38度くらいのぬるま湯で、しっかり泡が残らないように洗い流す。
熱いお湯は皮脂を取り過ぎてしまうので要注意です。
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朝の洗顔は、クレンジング剤を使わず、ぬるま湯だけで流すだけにする。
余分な皮脂と汚れは、ぬるま湯で十分落とすことができます。
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拭く時はこすらず、タオルを顔に当てて吸収させるようにする。
こすってしまうと摩擦で肌が傷ついたり、シミの原因にもなるので、優しくタオルに吸収させましょう。
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ピーリングをし過ぎない。
ピーリング後は一見つるつるで綺麗に見えても、必要以上に角質層を薄くさせてしまい、ビニール肌を作ることにもなりかねません。余分な角質は、ホットタオルで行うオイルパックのあと、使ったタオルで優しくぬぐうだけでも十分に取ることができます。こちらもやり過ぎは禁物。週に1度くらいにしましょう。
オイルパックの方法
洗顔後のスキンケア
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スキンケアアイテムの使用は、必要最低限にする
肌は本来であれば、何もつけなくても良いくらいの力を持っていますが、今まで使ってきた分その力が衰えています。
本来の力を取り戻すために、少しずつ減らしていくことを心がけましょう。基本的には化粧水+1アイテム位で十分。
冬など特に乾燥するときには、少量だけ足すなど、環境や肌の様子をみながら、都度加減していくようにします。 -
化粧水は、お風呂上りなどで肌が湿っていれば極力使わない
化粧水の目的は、肌に水分を与えて柔らかくし、そのあとにつけるアイテムの浸透をよくすること。
化粧水は水とアルコールなどで出来ていることが多いので、できるだけお肌への負担を減らすためはもちろん、お肌に水分がしっかり含まれていれば使わなくても大丈夫なことがほとんどです。
栄養補給や保湿力はそのあとのアイテムでカバーしましょう。
※化粧水をつけることでクリームやオイルなどの浸透がよくなるアイテムについては指示に従ってください。 -
スキンケアアイテムは、お肌に乗せるようなイメージで塗る。
こすったり、塗り広げてしまうと、お肌に負担となるだけでなく、塗り広げた先だけに集中してしまい、肝心な場所にあまり塗れていないなんていうことも。ポンポンと優しくお顔全体に乗せるというイメージで行いましょう。
スキンケアについては、こちらのページも参考になります。