40代を越えてから急にお肌の調子が悪くなってきた、とのお声をよく聞きます。シミやシワはもちろんのこと、急に敏感肌になってしまった、きちんとケアしているのに乾燥するなどなど・・・。こういう方は夏でも乾燥に悩んでいます。しかし増え続ける悩み肌も、適切なアプローチを継続していくことで改善、修復させることは可能です。
今回は、40代以降から急激に増えてくる乾燥肌、敏感肌の症状を軽減し、シミやシワを作らせない若々しいお肌を育てていくためのスキンケアのポイントをお伝えします。
この記事を書いた人 アロマアドバイザー/コーチ/トレーナー (株)トリニティ代表 龍神もも代
目次
40歳を過ぎたら、これまでのスキンケアではダメ?
40歳を過ぎてくると、社会復帰や子育て、介護などが加わり、これまでとは違った過剰なストレスが増えてくることや女性ホルモンの乱れから、皮膚のターンオーバーのサイクルが遅くなり新陳代謝が悪くなって肌の生まれ変わりを阻害する機会が増えるのですね。そのため、30代のころと同じというわけにはいかなくなってくるというわけなのです。
しかし諦めることはありません。日々のストレスを少し減らしてみたり、乱れたホルモンを調整したりすると同時に、お肌にできることを実践することで徐々に整ってくるものです。では早速みていきましょう。
乾燥肌・敏感肌を、最短で立て直す4STEP
お手入れが難しくなってきたゆらぎ肌を、最短で立て直すために、次のステップで優しく労わりながら丁寧にお手入れしていきます。
- 炎症がある場合はまずはお肌の鎮静化を!
- スキンケア用品の見直し
- 角質層の強化をしてバリア機能を復活
- 年齢とともに減りつつある常在菌の補
1.まずは炎症を抑えてお肌の沈静化を
化粧水をつけたときなどにひりひりしたり、赤みが発生したりすることがありますよね。それは、肌を守ってくれる角質層のバリア機能が低下したことで、有害物質が肌内部に侵入しやすくなり、その有害物質を排除するための免疫反応が”炎症”となってかゆみや赤み、ひりひりとして表面に出てきていることが考えられます。その炎症を放置してしまうと、さらなる悪化やシミ、しわの原因ともなりますので、まずは炎症を抑えることからしていきましょう。
まずはここをチェック!お肌に刺激を与え肌炎症となる成分
- ミネラルオイルなどの石油系成分
- 合成界面活性剤(水と油を混ぜるために乳化剤として添加)
- 防腐剤(パラベンやフェノキシエタノール)
- 合成香料
- アルコールやエタノール
- シリコンやプラスチックが原料のもの(肌を滑らかにするために入っている)
これらはたいていのスキンケア用品に入っています。安全性という意味ではクリアしていても、お肌への負担は思いのほか大きく、ましてや歳を重ねて弱くなってしまったお肌へ与える影響は深刻なものだったりするのですね。こういう成分が含まれていた場合、特にお肌が敏感になっているときには一度使用を中止し、基礎化粧品の切り替えを検討されると良いかもしれません。
植物成分でできた物でも必ずしも炎症が起きないというわけではありません。植物性の基礎化粧品を使用していて炎症が起きた場合には、成分によってアレルギーなどの反応を起こしていることも考えられるので見直しをしてください。皮膚科へ行くときは使用しているアイテムを持っていくようにしてくださいね。
あまりにも炎症がひどい時は皮膚科で抗炎症のお薬や基礎化粧品を処方してもらうことをお勧めしますが、炎症が軽い場合や、ステロイドなどのお薬を使いたくない場合には、自然の成分で作られた抗炎症効果のあるアイテムを。ただ、中には自然派化粧品と謳われていてもよくみるとケミカル成分が結構含まれているものもあるので要注意です。
また、”摩擦”も炎症をより悪化させる要因となることがありますので、洗顔時やお顔を拭くとき、美容液などを塗る時など、お肌に触れる際は優しく触れることを心がけましょう。
2.スキンケア用品の見直し
これまで使ってきた基礎化粧品がなんだか急に合わなくなってきたなと感じたら、それは年齢を重ね、肌が変化してきたことによる見直しのサインかもしれません。
ひりひりしたり、くすみが出てきたり、シミができてきたりも一つのサインです。
美肌を作ってくれる常在菌や、常在菌のエサでもある大切な役割を持つ皮脂。これらは界面活性剤や石油成分から作られる合成界面活性剤の使用により減少してしまいます。基礎化粧品を購入する際に比較できるよう以下の表にまとめました。基礎化粧品の裏に表記されている表示成分を見て、できるだけ刺激が少ない成分のものをチョイスしましょう。
クレンジング剤や乳液などに使用されている界面活性剤には種類があり、それぞれ優しさや強さが異なります。肌の状態をみながら適切に選択します。常在菌や界面活性剤についてはこちらの記事も参考になります。
界面活性剤4つの種類と商品の表示成分、刺激度比較表
界面活性剤の種類
・陽イオン界面活性剤
・陰イオン界面活性剤
・両性イオン界面活性剤
・非イオン界面活性剤
界面活性剤 | 刺激度 | 表示成分 |
陽イオン界面活性剤 | 界面活性剤の中で最も殺菌力が強く、肌への刺激が強い界面活性剤。しっかりめの化粧品やウォータープルーフなどを使用した時にはしっかりと洗浄してくれる半面、肌には刺激となることも。 | 塩化ベンザルコニウム・ベヘントリモニウムクロリドなど |
陰イオン界面活性剤 | 陽イオン界面活性剤より刺激は弱いが、脱脂力の強さは強さが異なりますが、乾燥肌、敏感肌の人は注意が必要。 | ラウリル硫酸ナトリウム・ラウレス硫酸ナトリウム・オレフィン、スルフォン酸ナトリウムなど |
両性イオン界面活性剤 | 他の界面活性剤に比べて比較的マイルド。ベビーシャンプーなどにもよく使われます。 | コカミドプロピルベタイン・ラウラミドプロピルベタイン・ココアンホ酢酸・レシチンなど。 |
非イオン界面活性剤 | 毒性が弱くマイルド。 | アルキルグルシド・ラウラミドDEA・ラウレス〇〇〇など。 |
乾燥肌や敏感肌の人は特に、強い洗浄力がある洗浄成分を使わなくても済むように、できるだけナチュラルなメイクを心がけるようにすることも40代以降は大切なことです。これを機に、ぜひナチュラルビューティーを目指してみませんか?
アロマテラピーは抗炎症効果と自然の力を併せ持つ万能ケア
管理人が日々使用しているアロマテラピーによるケアもとてもお勧めです。精油は自然の成分で炎症を速やかに鎮静化させる作用を持つ頼もしいアイテム。超敏感肌で市販の基礎化粧品を使うたびに肌が荒れてしまっていた私ですが、今ではあらゆる炎症とはほぼ無縁になりました。
炎症を鎮静化させてくれる作用のある代表的な精油は、ラベンダー、ティートゥリー、ゼラニウム、カモマイルジャーマン、パルマローザなどです。また精油は肌、心、体に同時に作用するため、肌の改善に取り組みながら、ストレスの改善やホルモン調整なども同時に行ってくれるという、私たちにとってとても頼もしいお役立ちアイテムです。
※精油を購入の際は、必ず成分がきちんと分析されているものかを最低限チェックするようにしましょう。
※精油の効果には個人差があります。また精油は医薬品ではありません。炎症がひどい時や基礎疾患をお持ちの方、妊娠中の方はご使用前に医師にご相談ください。
ヴィーガン、超敏感肌の方も安心して全身に使える、植物由来成分100%オーガニック精油ブレンドオイル THE ROSE
3.角質層を強化してバリア機能を復活
画像はイメージです。
年齢問わず、乾燥肌や敏感肌は遺伝や、なんらかの影響により角質層が薄くなってしまい、肌内部の水分が保てなくなっていることが大きな原因の一つです。
もともと肌の表面の角質層は、外的要因から肌を守るためのバリア機能が働いていますが、ゆらぎ肌は、このバリア機能が弱まることでこれまでは刺激と感じなかった基礎化粧品や洗顔料、化粧品、またホコリや花粉などにの外部刺激に敏感に反応するようになってきたりしてしまうのです。
角質層を薄くする主な要因とは?
- 年齢によるもの
- 美容液など過剰に塗り過ぎる
- 合成界面活性剤などの脱脂力の強い成分での洗いすぎ
- ピーリングのしすぎ
- ケミカルな成分の含まれた基礎化粧品で毎日のお手入れ
このようなお手入れは避け、皮脂の代わりとなる水分と油分を適度に補給して肌を守り、徐々に角質層のバリア機能を強化させていくことが大切です。
また、バリア機能が低下することで肌の奥ではダメージを受け、炎症を起こしている可能性も。この炎症によってますます肌に拍車がかかり悪循環を引き起こすことがあるので、この場合は早めに炎症を鎮静化させることが大切です。
角質層を守り強化するためには?
- 美容液やクリームは表示量を守り塗りすぎないこと(塗りすぎは自分で潤す能力を奪ってしまう)
- クレンジングは石油系の合成界面活性剤ではなく、石鹸などの優しい成分のものを使用すること
- ピーリングは通常不必要なもの。するなら週一回までにする
- 植物性の成分でできた美容液やクリームを使用する
- お肌の上で摩擦を起こさないこと
お肌の炎症を抑えて強くしてくれる紫外線の意外な効果
お肌の大敵であるとされる紫外線。少しびっくりされるかもしれませんが、紫外線をうまく活用することで肌強化が期待できるのです!
とにかく紫外線を避けよう、日焼け止めを塗ろう。そう思っていらっしゃる方も多いはずです。しかし、実は適度な量の紫外線には肌を強くする力があるのです。
紫外線の主な効果
- 新陳代謝の促進
- 角質層を柔軟にし、強化する
- 炎症を抑える
なんと、お肌にとって強敵と思われていた紫外線には、お肌や身体にとってこんなに嬉しい力があったのです。もちろん浴びすぎは禁物ですよ。
紫外線の効果を受け取りたいと思っても、いきなり顔は抵抗がありますよね。でも大丈夫!顔はほんの少しにして、腕や足など10分ほど浴びるだけでも効果があるので、やってみてください。
こちらも手の甲や足の甲は嫌だとおっしゃる方が多いですが、手のひら、足の裏、お腹などで大丈夫です。
また、太陽の光にはストレスや弱くなってしまった心を癒してしてくれるパワーがあり体の免疫力を向上させてくれる効果もあります。特にお肌を強くする必要のある乾燥肌や敏感肌の方は特に、ぜひ無理のない形で、少しの時間でも良いので太陽に当たってみてくださいね。
4.健康で美しい肌を作る常在菌(美肌菌)を増やす食品とは?
スキンケアのページではお肌の常在菌が大切というお話をしました。
年齢とともに皮脂が減ることによって、このお肌を守ってくれたり強くしてくれたりする常在菌が減ってきますが、この常在菌である美肌菌は、日々補充することができます。
それは、菌を摂取すること。
一番のおススメは納豆です。
そしてこの納豆には、キムチの菌をプラスするとさらに相乗効果が相まってより効果的です。
効果的に菌を摂取するためには、納豆とキムチを混ぜてしばらく置くのがポイント!しばらく置くことで菌がますます増えていきますよ。
ぜひ納豆を食べるときは、菌を増やしてから食べる習慣をつけてみてくださいね。菌が増えると腸の環境が整うとともに、肌の常在菌も徐々に増えていき、定着しやすくなっていきます。
テレワークでメイクが減った今は肌育のチャンス!
※モノレコ編集部「テレワーク(在宅勤務)の女性対象 スキンケア&メイク」に関する調査(2020年5月実施)より抜粋
テレワークの20代から40代の女性949人を対象にして行われた調査によると、コロナ禍でリモートワークが増えたことによりメイクが減ったとの回答が約8割だったとのことでした。ただ40代以降の女性は逆に家での仕事が増える傾向にあり、忙しさからスキンケアが以前よりも怠りがちになったとの結果が出たのだそうです。
メイクをしない時間はお肌の休憩時間でもあるので、素肌をきれいにするチャンスです!お肌を綺麗にするために、あれもこれもとたくさんのアイテムを使う必要は全くありません。このチャンスの時期にぜひ、お肌に優しい成分でできた基礎化粧品を使ってコロナ前より綺麗なお肌を目指していきましょう!
まとめ
- ストレスの軽減とホルモン調整
- 炎症がある場合はまずは抗炎症成分でお肌を鎮静させることを優先する
- 合成界面活性剤などのケミカルを中止し、できる限り添加物のない植物由来の基礎化粧品を使用する
- 角質層の強化をしてバリア機能を復活させていく
- 納豆キムチで菌を摂取し、便通を整えて善玉菌を増やすことでお肌の常在菌を定着させやすくする
40代を過ぎるとお肌は自分が思っているより結構敏感。ご自身に合った優しいケアを続けていくことで、ゆらぎ肌を乗り越えることができます。ストレスと肌は密接に関わっているので焦らずゆったりして過ごすことも大切。
心も体も何かと忙しい私たちですが、香りの良いアイテムをチョイスしたりするとさらに気持ちもアップしますね。毎日楽しみながらスキンケアを行ない、いつまでも輝く柔らかくて健康的なお肌を保っていきましょう!