ラベンダー油

  • 精油名:ラベンダーアングスティフォリア
  • 学名:Lavandula angustifolia ssp. angustifolia
  • 科名:シソ科
  • 水蒸気蒸留部位:花穂
  • 主な産地:フランス
  • 香り:さわやかで酸味のある甘酸っぱい香り

ラベンダーの種類は多岐にわたり、それぞれ成分も香りも全く違います。この“ラベンダーアングスティフォリア”は、地中海沿岸の、比較的標が高く、(1,000~1.300m)、乾いた土壌で育ち、真性ラベンダー、イングリッシュラベンダー、コモンラベンダーとも呼ばれる精油です。このように標高の高い野生のラベンダーは生産量が少なく入手も困難ですが、成分はもちろん、香りも格別で最高品質です。

皮膚、心、体、心身に対して、非常に多くの効能を持ち合わせている(150種類以上の効能が認められていると言われる)ことから、“万能精油”ともいえる種類で安全性も高く、子どもや高齢者が利用するのにも適するため、家庭に常備したい精油のひとつです。

フランス人化学者である「ルネ・モーリス・ガットフォセ」は、研究中にやけどを負いましたが、手元にあったラベンダー精油に手を浸し、その後きれいに完治するという、劇的な治癒効果をもとにアロマテラピーが生まれたことからも、ラベンダーはいわば精油の母的存在とも言えますね。

また、原液で使える数少ない精油のうちの一つでもあり、頭痛、歯痛、擦り傷、打撲、虫刺され、やけどなど、様々な場面で役立つ精油です。

特性

皮膚

皮膚組織再生、瘢痕形成、皮脂バランス調整、抗炎症、抗感染、抗微生物、抗真菌、抗菌、殺菌

炎症を鎮静して健康な新しい細胞の成長を促し、瘢痕に有用性があります。≪やけど、日焼け、にきび、ただれ、打撲、傷≫

乾性症~脂性症の全ての肌タイプに対応し、皮脂のバランスを整え、理想的な肌へと導きます。 真菌(水虫や白癬)による感染症、ニキビ、潰瘍、疥癬、湿疹、乾癬などの殺菌、癒傷にも役立ちます。

精神安定、自律神経バランス調整、精神強化、鎮静(鎮める力)誘眠、抗うつ

精神を浄化し、自律神経のバランスを調え、緊張、ストレス、不安、怒り、心配な心を癒して穏やかな氣持ちにして、心を深いリラックスへと導きます。鬱々とした氣持ちを解消し、精神を強くすることにも役立ちます。

不安や緊張などで眠れないとき、眠りが浅いときに芳香することで、深く質の良い睡眠へと誘ってくれます。

生殖器:

月経痛、出産時の苦痛緩和(白帯下の症状緩和に役立ちます。

 筋肉・神経: 痙攣、筋肉痛、捻挫、筋違い、関節炎、リウマチ、神経痛、頭痛

循環器:血圧降下、頻脈、抗悸亢進、誘眠、強心

消化器:臓器の働きを促進、平滑筋を緩めて蠕動運動を促します。疝痛、鼓腸。はきけ、嘔吐のときも役立ちます。

呼吸器: 殺菌、抗ウィルス作用により免疫力の向上や、咽頭炎、気管支炎、結核などの呼吸器のトラブルに役立ちます。

泌尿器:利尿

その他:冷え改善、発汗、癒傷(傷をふさぐこと)、解毒、デオドラント、抗炎症など。

主な含有成分

数値(%)は平均的含有量

モノテルペンアルコール類 30~50% リナロール、ボルネオール
エステル類 25~45%酢酸リナリル、酢酸ラバンズリル
モノテルペン炭化水素類cis-β-オシメン、trans-β-オシメン
セスキテルペン炭化水素類β-カリオフィレン
ケトン類3-オクタノン
比重:0.874~0.889  屈折率:1.457~1.462  旋光度:-18°~-2°

安全性

禁忌使用方法・使用量の目安に準ずれば禁忌なし 
注意事項使用方法・使用量の目安に準ずれば注意なし
光毒性なし
経口毒性非毒性
皮膚刺激緩和

相性が良い精油

  • 柑橘系:オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、メリッサ、レモン、レモングラス
  • 花の香り:カモミールローマン、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ローズ
  • ハーブ系:カモミールジャーマン、クラリセージ、ペパーミント、マジョラム、ローズマリーシネオール
  • エキゾチックな香り:イランイラン、サンダルウッド、パチュリー
  • 森林・樹脂系:サイプレス、シダーウッド、ティートゥリー、ユーカリラディアタ、ローズウッド、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ

※精油は、皮膚の治療や病気を治すための医薬品ではありません。症状に対してご使用になられたい場合は、医師にご相談されるか、自己責任の下ご使用くださいますようお願い致します。

関連記事

  1. ダマスクバラ花油

  2. 植物油 トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル

  3. パルマローザ油

  4. ニュウコウジュ油

  5. セロリ油